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粟田神社の北側にある相槌稲荷神社。能や謡曲の「小鍛冶」でも知られる三条小鍛冶宗近に縁のある小さなお稲荷さんです。

ここで、ちょこっと「小鍛冶」のあらすじをご紹介しますね。

相槌稲荷の画2_edited.jpg

「小鍛冶」

 

 時は平安、10世紀末頃のこと。

 一条天皇が夢枕にご神託を受け、小鍛冶宗近に宝刀をつくらせることになりました。しかるべき相槌役がいない宗近でしたが、断り切れるはずもなく、渋々ながら作刀を承知します。とはいえ、如何せん、宗近の腕に見合う相槌など、そう簡単には見つかりません。困った宗近は氏神の稲荷明神にお参りにいくのですが、その際、不思議な少年に出会うのです。なんとその少年は宗近の事情を知っていて、剣の威徳を讃える中国の故事や日本武尊(やまとたけるのみこと)の物語を語って聞かせ、宗近を励まし、さらには自身が相槌を務めようと約束して稲荷山(伏見)に消えていったのでした。 さて、帰宅した宗近は支度を整え、鍛冶壇に上がり、お祈りしていると、稲荷明神のご神体が狐の精霊の姿で現れ、相槌を務めるというのです。つまり、あの不思議な少年は稲荷明神の化身だったのです。かくして宗近は稲荷明神の化身である狐の相槌を得て、立派に刀を鍛え上げ、表に「小鍛冶宗近」の銘、裏にご神体が相槌を務めた証に「小狐」の銘を刻んだ名刀「小狐丸」を完成させたのでした。

  ……というのが、「小鍛冶」のあらすじです。

ちなみに、この三条小鍛冶宗近は日本刀を成立させた立役者の1人で、国宝の名刀「三日月宗近」の刀工として知られています。

 そんなわけで、粟田は秘かに刀剣の聖地でもあったのでした。

相槌稲荷神社

〒605-0034 京都府京都市東山区中之町200

(参道の入り口は三条通沿いにあります)

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